白い髭を胸まで垂らし、髭と同じく白い髪を肩まで垂らした老人が、鋭い目で人々を見つめていた。
「他のソードメーカーの者達はどうかは知らぬが、我が国のソードメーカーは、今まで我らに迷惑を掛けた事は無い。そうであろう?」
「…」
「確かにこのような所業は、ソードメーカーの仕業に間違いなかろう。しかし少なくともそれをもってして、その子達を責めるのは筋違いでは無いのかな?」
「…町長…」
人々はその言葉で、自身の身勝手な怒りを感じとったのか、次々と口を閉ざしていった。
「さ、怪我をした者は治してもらうといい。彼女らは進んで自らの力を町民の為に使ってくれている。さすがはセイルさんの娘じゃないか」
老人はしわだらけの目尻をさらにしわくちゃにして、微笑みながら、ミリスとエミリア、ロイを誉め称えた。
「い、いえ、私たちはソードメーカーとしての役目を全うしようとしているだけで…」
ミリスが照れながら、首を横に振った。
「ふふっ…」
「くっ…」
その様子を見た人々は、それまでの怒りの表情から、笑顔に変わっていた。
「あの…さっきはごめんなさい…。治療をお願いしたいのだけど…」
一人の女性がエミリアの前に立ち、頭を下げた。