奈央と出会えたから。<110>

麻呂  2008-03-23投稿
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『なら‥。何故あなたにわざわざ校則違反になる様な事をさせるのかしらね?!その髪の色は、確実に校則違反になるでしょう?!』



それはー


あたしがミズホさんに頼んで、染めてもらった訳でー


聖人は、まだ全然知らない事だしー


勿論、明日学校で会ったらびっくりされるだろうとは思うけどー。



『この髪の色は、聖人に関係ないよ。
あたしが先輩に、染めてって頼んだの。』



部屋の蛍光灯の明かりに照らされてー


あたしの髪は、益々明るく見えたー。



『奈央‥‥‥。』



母は、悲しそうな顔をしていたー。


あたしの顔を、じっと見つめながらー


ずっと悲しそうな顔をしていたー。



あたしー


こんなコト言いたかったわけじゃなくて‥‥。


お母さんとー


ここ最近、全然話していなかったから‥‥。


今日は、沢山色々な話をしたくて‥‥。

お母さんにー


聖人のコトも色々話したかったのに‥‥。


どうしてこうー


気持ちとは、裏腹な態度を取ってしまうのだろう‥‥。


どうしてこうー


素直になれないんだろう‥‥。



『もういいでしょ?!あたし、今日御飯食べない。お腹空いてないから。』



ダダダダダッー―‐。



そう言ってー


自分の部屋に行こうと、あたしは階段を駆け上がったー。



母の悲しそうな顔はー


あの後、どんな表情に変わったのかな‥‥。



母は、9時からスナックで働いているー。


母が家を出るまでー

あたしは部屋にこもっていたー。



グ〜〜〜ッ‥‥‥。


あたしのお腹が鳴ったー。



母にキツい事をいっしまったコトとー


お腹が空いていないと言ってしまったコトをー


あたしは少しー


後悔していた‥‥。

階段を駆け上がる時に、ちらっと見えたお母さんー


泣きそうな顔してたー。



お母さんー


泣いてないよね?!

泣いてたらー


どうしよう‥‥。



ごめんね、お母さんー


素直になれなくて‥‥‥。


明日は、もう少しだけー


素直になれますように‥‥‥。



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