私を見てくれる人なんて、いないと思っていた。喫茶10の人たちに会うまでは・・・。
あれは、いつの事だったかは忘れた。けど、喫茶10を見つけた。見つけたとか、行ったって言うより、関東さんが見つけてくれたんだよね。自殺しようとしてるとこを。
―――――――――自殺しても、いい事はない。『喫茶10』に来ないか?
そう言われて行ったのが喫茶10。その時は、喫茶店の従業員が関東さん一人と言うこぢんまりした喫茶店だった。けど、出してくれたコーヒーは特別おいしく、ほろ苦かった。
しばらく、間があいたけど喫茶10に行ってみた。そしたら、住みついてる子がいるとの事。だから、小さな寮も設けていた。住みついてる子は、精神的に不安定な子からいじめにあった子。様々なジャンルで、住みついていた。まとめて言うと、精神的ショックが大きい子が集まっていた。ということは、今の私も一緒じゃん。
だから、今までは親に見捨てられてる事も気づかずに過ごしていたけど、もう今気づいた。だから、私も住みついた。喫茶10に・・・。
香音ちゃんは、続きを言った。
「私ね、私立に行ってたの。成績も優秀で親からも褒められてた。「香音はえらいね」って。け
ど、私の事を嫌ってる子たちが作戦を仕掛けて私を退学にした。なんだったかなっ・・・。なん
か・・・。学校のお金がなくなったって事件が起きて、その罪を私がきる事になったの。そした
ら、退学決定。反論する間もなく、退学になった。」
香音ちゃんは、泣いていた。今まで、した事もないような事を罪として見られ、親に見捨てられて・・・。わかるよ、それ。親って勝手。周りも勝手。結局、被害に遭った私達が何かと悪いんだから・・・。