第二章? 〜葛藤〜
あの日以上に「由紀」に近づけた日はない。同じクラスにいるのに…。
彼女にもっと近づきたい。でも俺には勇気がない。なんて情けないんだ…。
そんな葛藤に苦しむ悲しい日々が続いていたある日、俺に幸運が舞い降りた。
俺は隆之に呼ばれて、隣のクラスに行った。呼び出した隆之の顔は真剣そのものだった。
隆之は、教師になるためにもっと勉強したいのでしばらく遊びは控えたい、と言ってきた。
一応俺も隆之の夢は応援していたので、隆之の気持ちを理解して、わかった、と答えた。
隆之の教師への気持ちが半端でないことがその時わかった。俺は、頑張れ、と言葉を掛けてそのクラスを去った。
自分のクラスに戻り、一郎にそれを伝えた後、一郎と一緒に帰ろうと思って2人でクラスを出ようとした時、それは起きた。