「アリスッ!良かったあ!来てくれないかと思ってたよ〜」
「何それ〜!」
トン、トン、トン…
ゆっくり階段をのぼって行く。
一段一段のぼるたびに、アリスは怖くなっていった。
「…アリス……怖いね…」「うん…」
「ここだね」
「うん…じゃあアリス、私からやってみるね」
「…うん」
彼女は自分だけ鏡にうつると、ケータイのボタンを震える指で押した。
不気味に静まりかえった階段に、《プルルルル…》という呼び出し音が聞こえて来た。
《ピッ》
『はい、もしもし?』
鏡の中の彼女が、返事をした…。
つづく