12月に入り…すっかり秋から冬へと、木々の表情も変わり初めていた。
僕らの参加できる大会も…残り…数試合となっていた。
この日の大会は、参加チーム数 …32という、割と大きな大会だった。優勝を2回体験した僕たちは、この日も、決勝リーグには上がりたいと考えていた。ところが…予選メンバーを見て…目を疑った。対戦相手は…あの全国3位のチーム…1度は勝てたけど…楽には勝てないだろう。
もう1チームは、夏に善戦したものの負けてしまったチームだ。
厳しいブロックに入ってしまった。もう1チームを含め、1チームしか決勝リーグへは上がれない。
1試合目…今期6度目の対戦。先に2点取られてしまった。しかし、四番の同点2ランホームランで追い付き、キャプテンがきめた奇跡のホームランで逆転した。
2度目の勝利だ。
2試合目…激戦区だったので、このチームは、前の試合で引き分けていた。だから、この試合で負けさえしなければ…予選を突破できる訳だ。…1点リードされたまま最終回をむかえた。このまま終わってしまうのかと思ったが…またもや、キャプテンの好走で、同点にした。1−1のまま引き分けた。勝つまでは、いけなかったけど…予選通過することは出来た。かなりの疲労感で、いっぱいだった。
準々決勝
普段なら楽勝できる相手に、1点差に詰められた。
ファーストの彼は、なかなか打てなくて…すぐ涙を見せてしまう。この試合…打順を下げられた。悔しくて…悔しくて、涙が止まらない。監督に怒鳴られ、悔しくて顔があげられない。いつも、誰よりも大きな声を出し、チームを盛り上げ、引っ張ってきたのは…彼だ。監督の「お前が盛り上げなくて、誰がやるんか!」の言葉に…歯を食いしばり意地を見せた。…フルスイング…ホームランだ。彼に笑顔が戻る。そこから、チームも盛り上がり、7−2で勝利。
準決勝
前回、投手戦で引き分けたチームだ。…初回、3点を先制した。これは、チャンスだ。…なのに…守備でエラーが続いた。サードの暴投…バッテリーエラー…基本的なプレーをおろそかにした結果だ。結局、3−3の引き分け。タイブレークに持ち込んだものの、相手チームの勝負強さの前に…崩れ散った。
第3位だった。悔しさもあったが、内容の濃い試合にヘトヘトになりながら、満足もしていた。
僕らは、あと一つの大会を残すだけとなった。