奈央と出会えたから。<113>

麻呂  2008-03-28投稿
閲覧数[716] 良い投票[0] 悪い投票[0]

母さん、何でそんな事まで知ってるの‥?!


あたし話した事あったっけ‥‥‥。



『でも、お母さん。あたし、絵本作家になんてならないよ。なれる訳ないじゃん。』



手に持った歯ブラシに、歯磨き粉を付けながらあたしは言ったー。



『どうしてそんな事言うの?!
夢は努力して頑張れば、きっと叶うと母さんは思うわよ。』


『母さんの言ってるのは理想論よ。

努力して頑張れば夢が叶うなんて‥。

そんな簡単に言わないでよ!!

努力して頑張ったって、その努力が報われなくて‥‥。

夢を叶えられなくて‥‥。

涙を飲んだ人だって沢山いる筈よ!!』


凄くー



久しぶりだったー。


母に、こんなに食って掛かる様な言い方をしたのはー。



『だったら尚の事、校則違反になる事はやめて、しないよりはマシな、努力をする方にエネルギーを注ぎなさい。』



あたしは朝から気分が優れなくて、


薬も飲んだしー


情緒不安定だったからー。



『どうせ家は母子家庭だし、貧乏だから大学も専門学校も行ける訳がないって思ってるもん。
だから努力したって無駄じゃん!!
貧乏人は貧乏人らしく生きればいいのよ!!』



思いもよらず、あたしの口から出た言葉はー



母をかなり傷つけるハメになってしまったー。



“後悔先に立たず”ー



言ってしまった後に、かなり後悔したー。



母は泣いていたー



あたしの目をじっと見つめたままー



ポロポロ涙を流してー



泣いていた‥‥‥。




その場にいたたまれなくなったあたしはー



二階の自分のへやへ行き、



急いで制服に着替えたー。



『学校言って来る‥‥‥。』



そう一言だけ母に告げー



あたしは足早に家を出たんだー。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 麻呂 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ