逆版・赤赤

BgwP←/B b/Et  2008-03-29投稿
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ボクの右手には、真っ黒な拳銃。
 ボクの左手には、真っ白な拳銃。
 黒の拳銃は罪人を殺し、白の拳銃は聖人を殺す。

―――今日は、白い拳銃だけ。

 聖人を殺すのは、とっても悲しい。
 ボクは、罪人を殺すのは大好きだけど、聖人を殺すのは、大嫌いなんだ。
 でも、しょうがないよね。
 それが、均衡者であるボクの仕事なんだもん。
 たいていの聖人は、ボクが均衡者だと名乗ると、『判りました』と納得してくれる。
 するとボクは、世界の為にと言って、聖人を殺す。
 納得してくれた聖人は皆、『世界の為に』とボクに返して死んでいく。

ごめんなさい。

聖人を殺したあとに残るのは、罪悪感だけ。

(ごめんなさい、ごめんなさい。)

でも、感謝の心も残ってる。

(世界の為に死んでくれて、どうもありがとう。)

 でもいつか、この白い拳銃に血がしみ込んで、変色して、黒い拳銃に変わるだろう。




 黒い拳銃で殺すのは、聖人であろうと罪人である。


 世界の終わりに、きっと聖人はいない。




***********
よく判らなくても結構です。
感想はいりません。
  To.BgwP←/



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