「!!」
「そのとき私達、双子の姉妹は孤児院に入ったの。」
桜はすこし下を向いていた。
「でも私達はすぐに身元引取人が見つかったから幸せよね。」
「そのお姉ちゃんは?」
「今は何をしているかは知らない。」
少し重い沈黙が流れた。
「ねえ、写真とか持ってるなら見せてくれない。」
「いいよ。」
桜はかばんからペンダントを取り出した。
準はそれを受け取り開いた。
そこには小さい頃の桜と準の写真とそっくりの面影をもった少女、雪が写っていた。
準はわかっていたような表情で見た後、ペンダントを閉じた。
「きっといつか会えるよ。離れていたって忘れなければ。」
そんなことしか準は言えなかった。
「ありがとう。」
少し桜が泣いていた気がした。
「じゃあ帰るね。」
「また明日」
「うん、また明日。」
そういって桜は帰っていった。
桜が帰った後、準は写真をもとに戻していた。
「これが運命というならば僕はそれをうらむよ。」
準は笑っていたが心の中は泣いていた。