満開だった桜が散り始めた頃、私わ高校の門をくぐる。
今日は入学式だ。
この物語の主人公、-詩音-はこれから始まる高校生活に期待と不安を入り混ぜながら、まだ着なれない制服に手を通した。
詩音が通うことになったこの高校は商業高校で、地元では楽しそうと人気のある商業高校だ。
詩音の成績なら、十分普通科に行くことが出来たのだが、詩音は推薦があり楽に受けることができるこの商業高校にしたのだ。
「ふ-‥友達出来るかな‥‥」
風に舞い散る桜を見上げながら、詩音は呟いた。
詩音は明るく、友達もたくさンいる方なのだが、実はかなりの人見知りで、自分から話かけることが出来ず、話しかけてくれる人にも苦笑いになることが多い。
入学式の会場では、みンなそれぞれにもう友達が出来たみたいで、楽しそうに話している。
「かっこいい‥‥」
そンな様子を静かに見ていた詩音はつぶやいた。
そう、入学式そうそう、ある男の子に一目惚れしてしまったのだ。
はやっ!!!
自分の心の中でツッコミを入れながらも、その男の子を見ていた
詩音はD組だが、その男の子はC組で、全く接点がない。
それでも見るだけで幸せだった詩音はそんなの全然気にしなかった。
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高校生活にも少しずつ慣れてきた頃、詩音にも少しずつ友達ができた。
中でも一番仲良くなったのが同じ組の薫(かおる)だ。
「アドレス教えて♪」
薫は一人で居た詩音にそ-話しかけてくれたのだ。
それから、いつも移動教室や休み時間は薫が来るようになった。
「ねぇね、詩音さあ、好きな人とかおらンの?」
薫が突然にやにやしながら言う
「えっ!?え-‥‥」
詩音はためらった
-好きな人-
その言葉を聞いた時に思い浮かんだのはあの入学式に見た男の子だ。
あれから、休み時間とかにちょくちょく見掛けていたが、未だに名前も知らないでいた。
そんな人を好きな人って言えるのかな?
ためらう詩音に薫はすかさず言ってきた
「あ-?!いるでしょっ!!薫誰にも言わないからさ♪」
詩音は、薫ならいっかと思い、話すことにした。
「好きな人ってゆうかね、気になる人なンだけど‥‥」