「うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
龍一は意味もなく奇声を張り上げた。
「グルァァァァァァ!!」そしてそれを合図とするかのように龍一に化け物が襲い掛かろうとした、その時だった。
「ふせろっ!!」
不意に左から声がした。
(!?)
龍一は咄嗟にしゃがみこんだ。
ガァン!ガァン!
「グガッ!!」
その直後に二発の銃声が鳴り響き、化け物の一匹が弾丸を食らって転げた。
キキィ!
闇からバイクに乗った咲坂が現れ、バイクを止めるとその上から跳躍し、咲坂は化け物の前に降り立った。
降り立つのと同時に、化け物はいきり立って叫び声を上げながら咲坂に襲い掛かった。
「ガァァァァ!!」
「遅い!!」
そう言った瞬間、咲坂は目にも止まらぬ速さで腰のナイフを抜き、化け物の右腕、左腕、首を一瞬の内に切り離した。
「ガ・・・」
切り離された首が小さく唸りながら、化け物の死体はドシャドシャと音をたてながら崩れた。
咲坂は辺りを見回した。もう一匹が見当たらない・・・・。
「くっ・・レーダー反応無し、消えたか・・・。」
咲坂は左腕の鎧を見ながらつぶやいた。