―――誰かの手に握られている。
……この香水はTKのか。
でも握られている手は小さい。
「嫌……お願いだから目…覚まして…っ」
随分女らしい声だけど、リボンだ。
サル坊は病院に運ばれていた。
夜通し看病していた二人はすっかり疲れきっていた。
サル坊の予断を許さない状況を、二人は起きて見守るしかなかった。
「TK……リボン…」
「サル坊!」
「ぅわぁあああ!!良かった…起きたぁ!!あああ!心配したよぉ!」
リボンがこんなに泣き叫ぶのを初めて見た。
TKが、泣いているのも。
「お前なんのつもりだよ…!誰がこんなの頼んだんだよ!!」
「私たち、家族より、仲間よりお互い知り合ってるんじゃないの!?」
「サル坊、確かにお前とは中学校で初めて会って、結局…名字しか知らないままここまで来ちまったけど…そんなくだらないこと俺らには問題じゃなかったよな!」
「K…TK。ノリで、¨T¨くっつけただけだぜ?」
「ねぇ…!ノリでもなんでも…!!私たち…ここまで……ここまで生きてこれたじゃん」
「…お前たちの、邪魔には…なりたくない」
「何のことだよ…」
「お互いに、愛し合ってる」