「ああ、僕は大丈夫です。心配しないでください。それよりあなたは…、」
僕が、そう言いながら立ち上がろうとすると、立ち上がれずにその場に倒れ込んでしまった。その時、僕の視界は、ぼやけた物になった。
「大丈夫ですか?どうしましょう、しっかりしてください。」
女の子がそう言うのを聞きながら、僕は、意識が遠くなって行くのを感じた。
「大丈夫ですよ、今お家につれて行きますから。」
その言葉を聞いて、疑問が浮かんだ。お家って何?
そうして僕は、完全に気を失った。
僕がどのくらいの間気を失っていたか、本来なら辺りの様子を見れば簡単にわかる事なのだが今、僕の見える辺りとは、一般的な人は、見る事が出来ない場所だった。おそらく、貴族が暮らすような屋敷…もちろん自分の家ではない。
「あっ、気がつきましたか」
僕が寝ているベットの横にあの女の子がいた。
「あなたは、さっきの…、ところでここは何処なんですか?」
「すみません、あのままじゃいけないと思い私の家へ移させてもらいました。あの、迷惑でしたか?」
「いえ、迷惑なんてとんでもない。感謝してます。ありがとう。」 続く