「リル様。偉魂の者からお手紙が来ております」
腰まで伸びた長い桃色の髪を白い大きなリボンでポニーテールにした
少女はそう、と言ってそれを受け取り中を見た
途端にすみれ色をした瞳に陰がさす
「よいことならばいいのだけど・・・・・」
不安げに呟いて
彼女は執事を呼び状況を説明すると執事は慌てて出て行った
まもなくして執事が戻ってきた
「お嬢様。準備ができました」
その言葉にリルはありがとう、と花のように笑いながら言い、広い敷地をてくてくと歩き馬車に乗った
ヒヒーン、と馬がいなないたと同時に馬車が出発する
偉魂族の住む城へ――。