『ミズホさんてば今日は、いつもに増してセクシーですね。』
正直ー
本当に良く似合っていたー。
『本当?!嬉しい!!奈央ちゃんもバッチリじゃん!!
どれどれ‥?!
メイクの方もバッチリね!!
キレイにアイライン引けてるし、マスカラもダマになってない‥。
ハイ合格だよぉ〜!!』
ミズホさんに、まじまじと顔を見られてー
何だか恥ずかしかったー。
『あ、奈央ちゃん。今度さぁ、メイクの仕方色々教えてあげるね!!また家に遊びにおいでよ!!』
『はい。ありがとうございます、ミズホさん!!
ところで今日は、どうしてこんな早い時間に登校してるんですか?!
あたしは‥家の事情‥と言うか‥‥。
ちょっと早く家を出て来ちゃったんですけど‥‥‥。』
そうだー
何でミズホさんが、こんな早い時間に登校しているのかー
あたしは、そこが一番知りたいところだったのだー。
『うんうん♪それはねー
勿論、奈央ちゃんがイメチェンしての初登校だからよ!!
あたしは、奈央ちゃんのデビューを、
この目で見届けたいのっっ!!』
そんなー
満面のキュートな笑顔で言われたら‥‥
同性のあたしだってー
ミズホマジックにかかっちゃいそうだよー。
『ありがとうございます‥‥。』
本当はー
もっと嬉しい筈の、このシチュエーションー。
素直に喜べないのはー
嬉しい気持ちにブレーキを掛けてしまうのはー
やはり母に言ってしまった酷い言葉の数々がー
あたしを強い自己嫌悪に陥らせていたからだったー。
『なぁに?!どうしたの?!元気無いわよぉ?!
奈央ちゃん!!元気出して!!
聖人に益々可愛くなった奈央ちゃんを見せてあげるんでしょ?!』
そうだったー
あたしー
これから、このイメチェンした髪型で聖人に初めて会うんだったー。
聖人には、髪型を変えたコトー
内緒にしているから‥‥‥。
聖人ー
どんな顔するかな‥‥‥。
そう思ったらー
急に心臓がドキドキし出した‥‥‥。