2007年の7月上旬、成田空港…
私は音声機材をカートに乗せ、クライアントであるコーディネーターの女性と、カメラマン、シンガポールからやってくるスタッフと出演者[日本人親子]を待っていた。
メンバーを整理すると、以下の通りだ(笑)
シンガポールからは…
デイヴ[ディレクター・シンガポール人]
市毛さん…シンガポール在住の日本人、帰郷で来日。
ヨシオ君…市毛さんの御長男・シンガポールと日本のハーフ。
国内からは…
ジェーン・フォン[コーディネーター・株式会社G.I.ジェーン代表取締役]
シュテフェン…カメラマン・ジェーンの友人・ドイツからの留学生
私[谷]・日本で1番ちゃらんぽらんな音声マン(笑)
…である、シンガポール国営放送の仕事であり、故国へ里帰りする人[市毛さん父子]を取材する番組である。
…全員揃ったところで、ジェーンが私に[英語はできますか?]と聞いてきた、私の答えはもちろん[ノー]であった(笑)。
早速、打ち合わせが英語ではじまり、私はしっかり聞いた、言葉は違えど、やる事は各国共通だ、いくつかの単語が聞き取れれば、仕事はできる自信があった。
…すぐに取材が始まった、先方のカメラは、よく知ってる日本製、最初の音声チェックができた後、私はいつもどうりのペースになれた。
…我々は、市毛さんの故郷である茨城県・水戸市へ移動した。
この日を含めた4日間は、今まででもっともデタラメ英語を使い(笑)、自分が現地クルーであるという、もっとも新鮮な取材体験であった。
…市毛さんの御先祖様は刀鍛冶、いろいろな日本刀剣を撮った。
ヨシオ君は柔道をやるので、練習試合も撮った、日本らしい画が、たくさん撮れたようだ。
…楽しいロケはあっという間に終わる。
最終日、成田空港で帰国組を送った後、私とジェーンとシュテフェンは東京へ戻った。
ジェーンは交換留学生として来日し、24才の若さで会社を立ち上げ、これが第一回目の仕事だった。海外クルーのコーディネートや、日本のオタク文化を海外に発信するのが、主な事業内容のようだ。
明るく、好奇心旺盛で、とにかく日本が大好きな女性である。
当然、私は彼女が好きになった(笑)、きっと、彼女とあった人は皆、そうなるはずだ。