記憶〜Memory1-1〜

嵯峨野 龍  2008-04-03投稿
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「あ〜、その、なんだ?この状況はいったい、何の決闘?」
今、目の前には理事長室の扉がある。横には、俺の幼馴染みであるらしい、出雲 燎(いずも りょう)がいた。
「君はバカ?どう考えたら決闘になるわけ?」
燎がツインテールにした髪を揺らしながらそう訊いてくる。
「いや、教室の前で『用があるからちょっと付き合え。』と言われたら、やっぱり決闘だろう?漢としてさ。」
「僕は女だよ!」
「ほう、女か。」
「そうだよ。女だよ、女の子。花も恥じらう17歳、乙女なんだからね。」
「俺の知り合いには、僕僕言う乙女はいないなー。」
「うぅ、僕のこのしゃべり方は昔からだよ!今さら変えろって言うの?」
『私は乙女なのよ?』って言ってくる燎。…考えただけで吐き気がする。
「今、スッゴクムカつくこと考えなかった?」
「いえいえ、ナーンにも考えてませんよ?」
コイツは、こーゆーことだけに勘が働きやがる。それが、この2ヶ月で俺が学んだことだ。
「そんなことより、入るんだろ?さっ、入ろーぜ。」
そう言いながら扉のノブを回して扉を開ける。「ちょっ!まだ話は終わってないよ!。」と言ってくる燎。だが、時すでに遅し。俺は理事長室に入っていった。「ちわ〜っす。呼ばれてきた長月っすけど。」
「ちょっと、待って。」
ちっ、しつこい奴だ。
「君ね〜、ちょっとは人の話を聞きなよね!」
「分かった分かった。で?何を話したいんだ?特別に聞いてやるぞ〜?」
こういうのは軽く相手してやるのが吉、だな。
「あっ、今バカにした?バカにしたでしょ〜。」
頬を膨らませて俺を睨み付ける燎。そんな姿が可愛かったりする。
「お〜お〜。朝っぱらから痴話喧嘩か?若いって良いね〜。」
いきなり声がしたから、何だと思い、声のする方を見る。するとそこには、机に座った男性がいた。男性は、ニヤリと笑うとこう言った。
「お前が長月 彼方(ながつき かなた)か?ナルホド、面白そうな男だな。…あっそうだ。お前を生徒会の副会長にしたから、頑張れよ。」
悪びれもせず、ついでのように、その男はそう言った。



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