「い、痛い!離してよ。私、千尋ですけど人違いじゃないですか!?」
「…あ゙?黙って後ろに乗れ!
迎えに来てやったのに。
ちゃんとしがみついてろ。」
…は、はぃ。
その人に圧倒され、嫌々チャリの後ろに乗った。
…。
怖い…。
どうしよ…。
どうやって逃げる!?
ふわっ。
…あ、あれ?いい匂い…。
この匂い…すごく安心する。
どこかで嗅いだような…?
落ち着く…。
はっ…じゃなくて!!しっかりしろ!千尋。
何和んでるの!?
「あ、あの。あなた誰なんですか…?
それに何で私を迎えに来てくれたんです…?」
私がおどおどした態度でいるとまた怒鳴られた。
「彼氏の名前も忘れたのか?この寝ぼすけ野郎が。前川耕太だろ?こ・う・た!
…迎え?好きな奴を迎えに来て何が悪い。何があっても守りたいんだよ。」