「仕事ですか？」
青年はそう答えた。
「そうだ。内容は護衛だ。」
「場所は？」
「ここだ。」
そこは山の中だった。
「受けるんで外の依頼主呼んでくれます。」
「気付いていたのかい、なんでも屋君。」
なんでも屋君と呼ばれたこの青年の名前は水城薫。名前通りなんでもするなんでも屋を営む青年だ。しかし最初の仕事が護衛だったのでその筋で有名となってしまった。
「誰を守るんですか？」
「私の孫を頼みたい。」
見た目はそれほど年老いていないが孫がいるほどの年らしい。
「お孫さんの名前は？」
「鳴宮歩という。期間は一ヶ月間。よろしいかな？」
「わかった。」
「なら依頼料は･･･」
「後でもらう。」
「成功報酬ということかな？」
「いえ、依頼に見合った依頼料を後で請求します。」
「わかった。認めよう。」
「あともう一つ。」
「なにかな？」
「家のものを自由に使うことを許可して下さい。」
「いいだろう。」
「では契約を。」
契約書に二人はサインした。
「あさってから頼むよ。」
「わかりました。」
二日後、薫は依頼主の家に向かった。
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