俺は闇から出ようと必死にもがいていた 徐々に光が見えてきた
あと少し…
でも最後の一歩がなかなか踏み出せない
早くこっちにこいよ
友人達が促す
でも踏み出せない…
一番遠いと感じた一歩だった
最後の一歩を踏み出せないまま数日が過ぎた
ある日 家の電話がなった
もしもし
俺が電話に出た
電話の声を聞いて泣きそうになった
キミの声だった
忘れるはずがない、キミの声だった…
嬉しかった
友人の
早く来いよ
という言葉よりキミの
あんまり焦るなよ
という言葉の方が俺を力付けてくれた
みんな
早く来い
としか言わなかった
それに応えようとして焦っていた俺がいた
でもあのときのキミの言葉で救われた
そしたらあんなに遠いと感じた一歩がそうでもない気がした
そして俺は最後の一歩を踏み出した…
つづく