ビルの中はピカピカに掃除され、ツヤツヤしていた。新しいタイプの造りである。私は思わず「わぁ…」と言ってしまう。レイはそんなことにはお構いなしに黙々と歩いていく。私はレイにはぐれないようについて行った。 ―ピタ。 レイがある部屋のドアの前で止まった。私も自然と足を止める。「……」レイが無言でドアを開ける。私は少し緊急してしまい、シャキッと姿勢を正してしまう。 「あ、レイさんにサクさん」 中から現れたのは、レイ(レイの身長は127センチです)と同じくらいに小さい少女。彼女は、私たちと軽く挨拶をすませると、部屋の中に入れてくれた。少女の名は、雲寺ミムという。レイの学生時代のクラスメートで、少し心配症だがいざという時には頼りになる少女である。私とレイはストンと椅子に座り、ミムの話を聞き始めた…。