「よし、じゃあ俺は昼間は適当に行動してる。ただし夜はお前の寝室の近くに寝室をとらしてもらう。」
「わかった。」
「なら家を見て回らしてもらうよ。」
薫はそう言って部屋を出ていった。
家は二階建て、30部屋ほどあるが、半分ほど使われていない。
いつのまにか夕方ごろになっていた。
「護衛はいるか?」
歩が近づいてきた。
「歩、護衛はやめてくれ。」
「だって名前聞いてないもの。」
「そうだったか。じゃああらためて水城薫だ。よろしく。」
「わかった、カオちゃん。」
カオちゃんとはおそらく薫のことだろう。
「カオちゃんはやめてくれ。せめて呼び捨てで。」
「わがままだな。なら薫。」
「なんだ。」
「腹が減った。」
いきなりその一言を言った。
「・・・どうしろと?」
「晩御飯を作れ。」
「・・・わかった。」
すぐに炒飯を作った。
「うむ、うまいぞ。」
「サンキュ。」
初めて歩の本当の笑顔が見れた気がした。
夜に薫は歩の寝室に向かった。
「入るぜ。」
中では歩がマンガを読んでいた。
「なにかよ・・・」
ガッ!
急に薫が歩をベットに押し倒した。