付き合い始めた俺だったが、すぐに忙しくなった。
学級委員になり生徒会に顔を出さなければならなくなった。仕事は適当にこなしていた。
部活は少年野球をしていたため最初から野球部と決めていた。彼女はソフトボール部に入った。
お互い恥ずかしくて、話せず、手紙を交換していた。
ある日。ソフトボール部のベンチ辺りまでいったボールを拾いに行った。
そこにはソフトボール部の先輩がいた。
「生徒会は適当なのに部活は真面目なんだね。」
「あいつが彼氏か。」
俺は自分に不利になりそうだったから背を向けた。
「先輩の話しも聞けないの?」
次の日。部活が終わり帰り道にいた。
彼女が待っていた。
「あのね。お互いのために別れよ。」
先輩に助言されたのは自分でもわかった。すべては俺の責任だった。そしてこのままならば彼女が先輩と気まずくなるだろう。
「わかった。」
こう言うしかなかった。別れるのはこわくなかった。それよりこれから彼女と嫌な関係になることをおそれた。
次の日。
「おはよ。」
明るいあの声が聞こえた。
「おはよ。」
俺の声も不思議なくらい明るかった。
暑い夏が恋の終わりを告げた。
終。