大江戸からくり絵巻

れんじ  2006-05-02投稿
閲覧数[379] 良い投票[0] 悪い投票[0]

時は江戸時代、下町のからくり師八兵衛は新しい発明の報告にお代官様の元を訪れていた。

八兵衛「お代官様、私の発明しましたこのえれき車輪、平賀源内様のお作りなされた【えれきてる】の力を利用しましてこちらの踏みしろを足で踏み回しますと、からくりと、えれきの力で楽にこの車輪がまわりどんな山でもすいすい登るのでございます。」

代官「ほう!また凄いものを作ったものだな、これをどう使うのじゃ?」

八兵衛「はい飛脚の代わりにこの車輪に荷台を付け文や書物を載せ運ぶと飛脚十人分程の荷物を1人で楽に運ぶことができまする、人力車や籠の代わりに使えば人手も少なく済みまする、さらに馬よりは遅いですが餌をやる必要なく移動することも…」

代官「もうよい!!それでは申すがこの車輪を皆が利用し飛脚や人力車、籠担ぎ人や馬の世話役の仕事がお役御免となればだれがその面倒をみるのじゃ!」

八兵衛「そ…それは…」

代官「八兵衛よそれが政(まつりごと)なのじゃ皆が職をもちそれにより禄(ろく=給料)を得、衣食住を満たす…職を失う者がおるとわかっておる以上、このえれき車輪とやらを作ってはならんぞ!」







八兵衛は首をうなだれ帰って行く…その後ろ姿を見ながら、お代官様は八兵衛に聞こえぬように言った。

「代官や奉行はその任期を終え隠居するまでの間、飛脚や人力車・籠担ぎのお目付役をするのが長年の決まりなのじゃ…机の前に座っておるだけで禄はたんまり入ってくるというのに、そのような物が作られ職がなくなればうまい汁が吸えなくなるではないか…」







電動アシスト自転車が作られる200年以上前…






天下りという言葉があったかどうかは定かではない…






投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 れんじ 」さんの小説

もっと見る

ファンタジーの新着小説

もっと見る

[PR]
激安耳つぼジュエリー
簡単貼るDiet


▲ページトップ