「…!早く行くぞ。奴が来る…。」
彼がそうつぶやくと、私の手を強く握った。
ドクン!ドクン!私の心臓はさっきより大きく脈を打ち始めた。
このまま繋いでたら手から心臓の音が伝わるかもしれない…と本気で思った。
「ちょっ…恥ずかしいよ!離してくれない?」
「…?いつもの事じゃ…「ちぃ!一緒に行こぉ!」
耕太の話を遮り、見知らぬ女が二人の間に割り込んできた。
た、助かったぁ…ってこの人誰…!?
耕太さんの知り合い??
「で、出たな舞!!朝くれぇいいだろ?学校じゃいつも一緒に居るんだし。」
「え〜やだぁ。ちぃはゥチのもんだし。」
「はぁ?俺のに決まってるだろ?お前じゃ幸せに出来ん!」
二人のマジ喧嘩が始まった。
…意味が分からない。
この人達は何を言い争ってんだ!?
私は二人の会話をただ呆然と聞く事しか出来なかった。