「あ、あの!遅刻しちゃいますよ?」
私は勇気を出して話を切り出した。
「う…。そうだな。こんな女に付き合ってる時間はねぇ。
ごめんな?せっかく二人きりだったのに。」
耕太が舞を見ながら嫌みっぽく言った。
「ふん。ちぃはゥチと居た方が100倍は楽しいんだし。」
「俺と居れば1000倍だ!」
ゥチの方が!俺の方が!
まぁた始まった…。
何か二人を見てると本当の恋人同士に見えてくる。
馬鹿馬鹿しい…。さっきのときめき返してよ。
「お邪魔みたいだし、私先行くね?」
「あ!待って!!」
二人同時に同じ言葉を叫んでいたが、私は全力で走り出した。
あんな人達に構ってる時間なんてない。
二人ともグルで私をからかってるんだ。
だって私は今日、転校するんだもん。