奈央と出会えたから。<118>

麻呂  2008-04-06投稿
閲覧数[657] 良い投票[0] 悪い投票[0]

『何?!その髪?!全っ然、似合わねぇーな。』



不意に聖人の一言が沈黙を破ったー。



その言葉は、さっきまで鼓動がMAXにまで達していた、あたしの心臓の深い所に容赦なく突き刺さったー。




『色もカタチも全てNG。全く‥どういうセンスしてるんだか。』




グサグサ―――。



酷‥‥い‥‥‥。



『大体、奈央の髪の長さと髪質に、そんなルーズな動き付けたら、どう見ても寝癖にしか見えないゼ?!』




グサグサグサグサ――――――。




いくら似合ってなくたって‥‥‥そこまで言うことないじゃん‥‥‥。





『聖人。その言い方は、ちょっと酷くない?!

奈央ちゃんがどんな思いで今、この教室で聖人のコトを待っていたと思ってるの?!

イメチェンして、可愛くなった姿を、聖人に早く見せたくて、ドキドキしながら待ってたんじゃない。

そんな女の子の気持ち、分かってるの?!

仮に似合ってないと思ってたって、そんな言い方はないじゃんよ!!』




ミズホさんは、あたしの言いたい事を全て代弁してくれたー。




あたしはー



こんなにまで聖人に“似合わない”って言われるとは思っていなかったからー



かなりショックでー


あまりにもショックが大き過ぎてー



なんだかー



返す言葉も思い付かずー




あたしの目の前に立つ聖人の目を、逸らす事さえ出来ずにー



ただ、その場に立ち尽くす事で精一杯だったー。




『似合わねぇから似合わねぇって言って何が悪いんだよ?!』




もういいよ‥‥。



やめてよ聖人ー。



何かー



自分が凄く惨めに思えてくるー。




『あ‥はは‥‥。そ‥‥だよね?!

じ、実はさぁ、あ‥あたしも全然似合ってないなとは思ってたんだよね、うん。
ミズホさん、ごめんなさい。

あたし、せっかくミズホさんにカラーリングしてもらったり、
メイクの仕方、教えてもらったりしたのに‥‥。

聖人に、全然似合ってないって言われちゃっ‥‥た。』



‥‥声が少し上擦ってたかも‥‥‥。



やば‥‥泣きそう‥‥‥‥。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 麻呂 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ