奈央と出会えたから。<120>

麻呂  2008-04-06投稿
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『馬鹿だな。無理しやがって‥‥。
こんな事したら、渋川に直ぐ呼び出されんぞ!!』




聖人の目は、とても優しかった―。




いつもは、鋭い切れ長の奥二重の目がー


一瞬にして優しい目になる、この瞬間がー



あたしは大好きだったー。



『う‥ん。うん。だって、聖人に少しでも釣り合う女の子になりたかったんだも‥‥ん。』




じわっ―――。



泣かないつもりだったのに‥‥‥。





『俺達、お似合いのカップルじゃねぇの?!』




聖人は、そう言って笑った―。




その目は少し、照れていた様な―。




『う‥ん。そ‥うだよね。』




あたしも思わず泣き笑い―。




『聖人、今日学校何で早く来たの?!』


『ん?!ああ‥‥。何となく‥‥な。』



“何となく―”か‥‥‥。




それでもあたしは嬉しかった―。




聖人が、あたしのコト、思ってくれてるんだって―\r




そう思わせてくれる様な―\r




今のこのシチュエーション―。





『奈央。今日は、このまま帰るぞ。』




『えっ?!何で?!』




聖人ってば、いきなり何言い出すの?!



『バッカ!!その髪で学校内彷徨いてみろ!!渋川だけじゃなく、学年主任の山村にまで、目付けられるだろ?!』




そう言われてみれば、そうだけど―\r




『俺が黒く染め直してやる。今から俺ん家行くぞ。』




はぁぁ〜〜〜っっ?!




マジですかぁ〜〜〜っっ?!




何か凄く強引じゃない‥‥‥?!




あたしは、聖人と付き合って一カ月を過ぎて―\r



初めて聖人の家へ行く事になってしまったんだ―。




聖人と付き合っていると毎日がとても新鮮で刺激的だった―。




勿論、この時点では、まだまだ聖人について知らない事は沢山あったんだけれど‥‥ね―。

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