部屋の固定物は爆発後も変わらずいた。
「すごい固さだな。」
そこに悠然と薫は立っていた。
「な、なぜ!?」
「粉塵爆発っていってな、細かい粉が空中を舞ってるときに火をつけるとこんなかんじになる。」
「ば、化け物が。」
薫は無視して歩の方に行った。
「歩、もう出てきていいぞ。」
しかしなかなか出てこない。
「開けるぞ。」
「グスッ、グスッ。」
開けるとそこでは歩が泣いていた。
「どうした?」
「薫が、私の、ドカーンて、死んじゃ・・・ウエーン。」
たぶん自分のせいで薫が死んだと思ったのだろう。
「いつもの強気はどうした。」
「だって・・・だって・・・。」
薫は歩は強がっているだけで、実はとても弱い存在なのかもと思った。
「大丈夫さ。俺はここにいる。」
歩は薫を見た。
「・・・ウ、ウエーン。」
また泣きついてきた。
歩は当分泣き続けた。
落ち着いた歩は少し顔を赤らめていた。
「このことは秘密だからな。」
強く言った。
「秘密は難しいな。」
「なんで!」
「だって今、この家は監視されてるもの。」