僕は君に百万回の嘘をつこう。
それでも君は、百万回の嘘を見抜いて僕を愛してくれるだろうから……。
嘘と真実の狭間で
しとしと……そう悲しげに降る雨の日。
今日も、この喫茶店に足を運んでいる僕がいた。
……僕はニートだ。
いわゆる社会不適応者。
働かず、親の金で飯を喰らう……世論評論家に言わせると現代社会がもたらした社会のゴミらしい。
だけど当人の僕にとっては、そんな胡散臭い評論家達の戯れ事なんてどうでもよかった。
僕は僕だ。
「仕事、どう?」
うまくいってる?そう付け加えながら、向かいの席に座っている君が僕に尋ねる。
君は雨の日にだけ、この喫茶店に姿を現す。
そして決まって僕が腰掛ける、くすんだ茶褐色の椅子を挟んだ向かい側に腰をおろす。