「笹木、戻ってくれ。」
日が沈み、暗闇に包まれた廃工場の中で佐藤の囁きが響いた。
すると座っていたアンサーが立ち上がり月光が差し込んでいる所で立ち止まった。が俯いていて顔は分からない。
「笹木裕介はもう手遅れだよ。僕に完全に取り込まれたよ」
そしてゆっくりと顔を上げた。
「！！！！」
月光に照らされている顔は“顔”ではなかった
真っ黒な中に赤い目が無数にあった
「アハハハハハハ！残念だったな！もうコイツは駄目なんだよ！助けれねーよバーカ！！アハハハッヒーヒヒヒヒヒ！」
「黙れよ、、ゴミが！！」そして佐藤はおもむろに魔玉を取り出し、かみ砕いて“ゼルド”と呟いた。
すると佐藤の顔に三本の波線が現れ額によくわからない印が浮き出た。
「ヒヒヒハハハ！ゴミは君だよ！お前がどんなに抵抗しようが笹木裕介の体を取り込んだ僕は殺せない！」そう言うとアンサーは暗闇に消えた。
約一分の静寂の後佐藤の前に一人の少年が現れた
黄色のパーカーに藍色のジーパンを着ていた。
茶髪で綺麗な整った顔、佐藤と同じ茶色の袋を腰に提げていた
佐藤はその少年を見て呟く、、、
「笹木、、？」
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