叶わない望み‐1

さき  2008-04-07投稿
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あまりにも唐突だった。


私の誕生日、ペアリングを2人でみた。
「どうしよう。選べないよ。」
かわいいのがたくさんあって、結局決めれずに終わった。
「俺が決めとくよ☆」
18日後の記念日までの約束。


誕生日の5日前は、家に彼が来て、帰る時に大泣きした。
これからを考えると、春休みの今だけしかゆっくり会う時間がないと思ってた。
「いっぱい泣いていいよ。」
無言で泣き続ける私を、そっと包んでくれた。



小さい頃から、自分のことは話さない子だった。
長女だし、小学校入学で妹ができて、自分よりも周りが忙しくて、いつの間にか自分を表面に出せない子になってた。
小学、中学、高校で、友達の裏切りを見てきたし、ほんとの自分を出して嫌われるのが嫌だったし、私の言葉や行動で傷つけるのが怖かった。

だからほんとを隠すようになった。

彼にもずっと、ほんとを言えずに出てくる言葉をグッと飲み込んで、勝手に落ち込んだり泣いたりした。


だけど、そんな性格があなたの事をこんなにも傷つけていたなんて、考えもしなかったよ。



誕生日が過ぎてから、いろんなこと思い出してた。付き合う前の2人や、その後の2人のこと。

最近寂しいって言ってくれない。

一緒に勉強したい。

そんなくだんないことを考えた。


誕生日数日後、電話した。最初は楽しく話してた。いつの間にか自分の声が出ていないことに気付いた。

(会いたいよ。)
声にならない言葉。
「結局お父さん何時に帰ってきた?」
「ピザ残った?」
(あのね…)
「俺にどうしてほしいの?」
ため息まじりに聞こえてくる。
(声がでないよ。)

時間だけが過ぎていった。
もうダメだと思った。そのまま電話を切った。

過信していたんだ。何があっても離さないって言ってくれたから、大丈夫だと思ってた。

これが2回目じゃなかったらよかったのにね。

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