「御苦労だったな。恵美君。む、荒木も一緒か。ま、掛けたまえ」
会議室に入るとすぐに聞き慣れた声が聞こえてきた。
「大戦果じゃな。敵の新型兵器を落とす働き、大したもの…」
「准将」
滝川は遮った。
どうしても聞きたい事がある。だが、まだ…
「凄まじいスペックを有した兵器でした。単体でWWごと部下を五人も……とても地球軍で歯が立つ相手ではありません」
「か、艦長!?」
「言葉を謹め!」
隣で荒木と基地の参謀が焦る。当たり前だ。関東方面軍のトップを前にずけずけと敗北を予告しているのだから。
「ハッハッハッ!変わらんな君も。荒木の苦労を察するわい」
「こういう性分ですから。世話になってますわ。それで例の兵器の事ですが…」
「侮れぬ。あのような兵器を載せた艦に実戦テストを挑ませてしまうとは、戦死した兵には申し訳が立たぬな。ワシの調査不足だ」
「調査不足ですか?」
滝川はあらかじめ用意して機会を伺っていた言葉をここぞとばかりに投げ掛けた。
「・・・」
「准将。本当に調査不足ですか?私にはこれがわかっていた事、或いは…」
「決められていた事ではないかと思われて仕方ないのです」