「?ティクモが?」 ティクモというのは、魔法でしか倒せない黒い古代の生き物。ティクモは世界の光を少しずつだが、食べていくため、厄介な存在。ティクモを倒すために、魔法使いは存在する。魔法使いがいるからこそ、世界の平和は守られているのだ。レイがミムに先を促した。 「ティクモがどうしたって?」 ミムは俯いて少し抑え気味の声になる。 「ここ最近、グリーン・マウンテンに現れるって噂を聞いたんですけど…」 ミムは一旦言葉を切った。私は、ミムに「本当なんですか?」と聞いた。ミムはうなづく。 「本当です。現に、魔法使いの人たちが見てるんですから」 レイが腕組みをしながら、ミムに尋ねているのが聞こえた。 「オマエが行けばいいだろ」 私は「こ、コラッ、レイ!」と言ってレイを小突いた。レイは頭をさすりながら、また質問する。 「…オレらに行けってのか?」 ミムはまたうなづく。私は「ねぇレイ…」とつぶやくのと同時に、レイが立ち上がった。私とミムは首を傾げる。 「行くんだろ。グリーン・マウンテンに」 ミムは「じゃあ…」と嬉しそうな顔をする。ミムは戦いが好きではない。だから、レイに頼んだのだった。私はレイったら…と思った。私とレイはミムの部屋を後にした。