償い

あや  2008-04-07投稿
閲覧数[393] 良い投票[0] 悪い投票[0]

菜種梅雨で散る桜 まるで私の心模様 川に浮かぶ花筏津はどこに流れ着くのかしら

あなたは傘を差して桜の木の下を行く 僕をスルリとすり抜けて

行かないで…

呼び止める声は喉の奥に詰まって言葉にならない
前だけを見て歩くあなたはとても大人に見えた

春が立ちすくむ僕の前を何度過ぎても 僕は変わらずここにいて、ただ眺めているだけ 私にはもうそれしかできません

命が戻るなら、僕はもう一度あなたに語りかけるでしょう そして悲しませはしないのに

僕の命はこの桜に託し、あなたにずっと語りかける 声にならない声は花びらに託しましょう

あなたが他の誰かと出会い子どもが出来て、この桜並木を通ったら おめでとうの言葉を花びらに託し祝いましょう

あなたが幸せになりますように

今の僕にできるのはそれだけしかないことを許してほしい

ただ、今もあなたを本当に愛しているよ

君との約束を守れずに死んだ僕を許して…

僕の涙を乾かすようにそっと風が吹いた



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 あや 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]
カラダがジューシーに☆
お風呂上りはコレ!


▲ページトップ