付き合って何度目のデートかなぁ。分からないほど毎日のように逢ってる私たち。あなたは恥ずかしそうに私の手を握った。
私はあなたが初彼で、実は男の人と手を繋ぐのも初めてで心臓のドキドキは最高潮。でも、それくらいなれたふりしなきゃ恥ずかしいし。
ファーストキス…あなたにあげたいなぁ。なんて思う今日この頃。
夕暮れ時の帰り道、あなたと二人で公園を歩く。帰りたくないなぁって思わず溜め息が出ちゃう。
突然、あなたが立ち止まる。
どうしたの?
キスしていい?
私はビックリしてあなたを見上げた。みるみるうちに頬が熱くなるのが分かった。
…いいよ…
俯きながら答えた私をそっと包むように抱きしめるあなた。すこし肌寒い春の夕方、抱き締められた温かさに今まで感じたことのない安心感があった。
あなたってこんなに背が高かったんだね。私の体があなたの胸に収まってしまうなんて。
あなたは少し体を離して私の瞳を覗き込む。私は恥ずかしくて恥ずかしくて、泣きそうになる。
顔が近付いてくる。ずっと憧れてたあなたは近くでみると、長いまつげをしてたんだね。いつもと違う格好良さに私はまたあなたに惚れてしまう。
唇が重なる。
私、今世界一幸せかも知れない。
好きだよ…
恥ずかしくて嬉しいファーストキスに幸せを感じながら、私たちは家路に着いた。
余韻を残して…