握った拳を開いた時、虚を見るのは嫌だから。
見ないフリをして、また拳を握り締めた。
何もナイ。
ボクは何の為に生まれてきたんだろう……。
絶望するくらいなら、夢なんて見るんじゃなかった。
裏切られるとわかっていたなら、信じなどしなかったのに。
空しさが胸を覆っていく。立ち直れなくする為に。
誰かの悪意としか思えない……。
そんな風にしか考えられないボクは、きっとバカで。頭の悪いガキなんだろう。
だけど、いつだって、叫びたいんだ。
平和と幸せはどこにある！？あの優しい歌たちはどこへ行った！？
叫んでも、もがいても。苦しいだけだと知っている。
だけど、心が呼んでいるんだ。
甘いふんわりとした世界が欲しい。
ギスギスした敵意と憎しみを捨て去って。
やわらかな羽毛にくるまれて、永遠に眠れたら……。
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