僕は君の未来を永遠(トワ)に。?

麻呂  2008-04-09投稿
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『く‥そ‥‥。何で僕だけ‥‥。』


悔しさが喉の奥から込み上げて来て、目頭に向かって突き抜けた。



―ちょっと‥あの人泣いてるよ?!―\r


―マジ?!失恋でもしたんじゃないのォ?!―\r


―嫌だ、キモ〜イ!!―\r


―行こ、行こっっ!!アハハハハッ―\r


僕の直ぐ横を、3人組のイマドキの女子高生が通り過ぎて行った。


こんなの、もう慣れっこだった―\r


人を笑わせる事が、ひとつの才能なのだとすれば、人から笑われる事もそれに当てはまるのだろうか。


人から笑われる事には慣れていた僕に、人を笑わせる才能は、あるのか―\r





某プロダクション主催の、お笑い芸人発掘オーディション―\r

この前、雑誌で見たんだ。


もし僕が、あのオーディションに合格したなら―\r


もし僕が、売れっ子のお笑い芸人になれたなら―\r


今まで僕を馬鹿にして来た奴らを見返す事だって出来るんだ。


こんな夢見心地な、現実離れした空想に耽ながら―\r


僕は家路を急いだ。

そして、半信半疑に思ったんだ。


帰ったら、あのオーディション主催者のプロダクションに、写真付き履歴書を送ってやろうって。


けれど、そう思っている事自体、帰宅し直ぐに風呂に入り、食事をしたら、すっかり忘れているに違いない―\r


僕は案外、それ程深く考え込むタイプじゃないのかもしれない。

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