私は信じていた彼に裏切られていた。
彼には私以外にも愛する人がいたなんてシャレにならないよ。
今日は朝からついてなかった。ガムを踏んじゃううし、電車には乗り遅れるし。
帰り道に私は街角で彼を見かけた。嬉しくなって声をかけようとしたが、笑顔の彼の隣には見知らぬ女性の姿。
その瞬間、私の顔から笑顔が消えていくのが分かった。
情けないかも知れないけど、私は彼を信じたい。
アレハタダノトモダチ
私は、くるりと踵を返してもときた方向へまた歩き始めた。
私は何も見なかったと、あれは見間違いだと自分の心に言い聞かせた。
私はあなたを信じてる。
でも、私の中で今までなかった不振の芽が確実に芽吹くのを感じた。