記憶〜Memory1-4〜

嵯峨野 龍  2008-04-10投稿
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生徒会長に『出し物を決めておきなさい。』と伝言で伝えられ、燎と一緒に図書館に去年までの出し物を調べに来たまでは良いのだが、予想外の量に辟易していた。
「お待たせ〜。」
そこに、藤堂が紙コップを両手に入ってくる。
「ん?何してるの、二人とも。」
訳が分からないと言った顔だ。そこで俺が説明してやる。
「あぁ、さっきのメール、見ただろ?」
「うん、とってもかわいくて、僕のことが好きな女の子が図書室で喉をからして待ってるって。」
「うむ、その通りだ。」
「やっぱり!!で、どこ!?どこにその子がいるの?」
顔を明るくして訊いてくる藤堂。
「そこ。」
俺は藤堂に分かりやすいように、隣にいる燎のことを指差す。
「え?」
「え゙?」
燎は驚いてキョトンとしている。おそらく調べるのに夢中で話を聞いてなかったんだろう。それに比べて藤堂のやつは顔をひきつらせて笑っている。
「ハ、ハハ。き、気持ちは嬉しいけど、ぼ、僕にも、彼女を選ぶ権利があるんだ。だからさ、力づくだけは勘弁してください。」
「はぁ?」
おっと、このままじゃ燎が気づいて、俺の計画が台無しだ。
「藤堂。」
「な、なに?」
「大事な話だ、そのコップは、俺が預かっておく。いいな?」
「う、うん。よろしく。」
「ああ、頑張れよ!」
親指をたて、ニッコリと笑って送り出してやる。
「よっしゃー!!」
俺に紙コップを渡して、再び死地へと旅立っていった藤堂。
…よし、計画は成功だ。あとは燎が気づくのを待つだけだ。
「えっとね、気持ちは嬉しいんだけど、君はそれで良いの?」
「良いって、何が?」
「だ、だからさ。」
「君も男だったらはっきりしろ!!」
「ハ、ハイッ!!」
「で、何が?」
「僕が彼氏で、」
「ふざけるなーーー!!」
1HIT(バキッ)
2HIT(ベキッ)
3HIT(ボキッ)
4HIT(メキッ)
5HIT(ゴキッ)
6HIT(ガキッ)
7HIT(宙に浮かせ)

フワ〜〜ッ

8HIT(ベキンッ)
ズザザザーッ
<ハイスコア>
<ダメージ 5675>

そのままの勢いで藤堂は廊下まで飛んでいった。
…すまない、藤堂。
「全く、何だったんだろうね、今の。」
俺はお前のその怪力がなんなのか聞きたいがな。しかし、そんなことは口が裂けても言えない。なので、一応同意しておく。
「全くだ。」
俺は燎にコップを渡す。
「あ、ありがとう。」
「気にするな。」
どうせ藤堂の金だ…。
少し休憩したあと、俺達は放課後ギリギリまで学園祭の出し物を調べた。

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