気がつかなかった
バーにいる事が不思議に
思えた彼女から声をかけられても気付かなかった!
「先日はお世話になりました」
「はい?」
「………で」
「あっ!こちらこそごちそうさまでした!」
世間話で
時間は流れた
時刻は夜中の1時を過ぎていた!!
彼女を残して帰るのも
何故か気がひけ
一緒に飲んでいた
僕は
「帰らなくてもいいんですか?」と
彼女に聞いていた
主婦が飲んでいる時間にはほど遠い時刻で
時計は3時を過ぎていた
彼女はぽつりと
「夫は帰ってきませんから」と言い
僕に夫との事を話し始めた僕は黙って聞いていた
しかし僕は彼女に
「帰りましょう!送ります」と言い
タクシーに乗った
彼女は酔いがまわったのか僕の肩にもたれ
眠っていた
家の近くになり
彼女を起こした
彼女は
「少しだけこうしていていいですか?」と
懇願するような瞳で言った「ええ」
彼女の家まで数分が過ぎた彼女の家に着くと
彼女は降り際に口づけた!彼女はタクシーを降りた
僕は彼女の憂いを帯びた瞳を思い出していた
その瞳が脳裏から離れないマンションに帰ると
千尋は起きていた
「お帰りなさい」
「ただいま」
僕は気になりながら