としひろ

みず  2008-04-12投稿
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指輪を無くした。
ずっとつけていた指輪。


酔っ払って、何を話したか、誰に喧嘩を売ったか、どの道とおって家に帰ったか、覚えていなくても、あの指輪は無くさなかったのに。

無くしても、一緒に呑んでた同僚が翌日、もってきてくれたり。

なにかと、私の元に戻ってきていたのに。


いよいよ無くした。


自分で買った、たかが5千円くらいの指輪だけど。


あの指輪を無くしたおかげで、雅樹と別れたむなしさを、紛らわすことができているのかもしれない。


指輪は、ずっと身につけていた。私のそばにいた。
雅樹は、私のそばには、いなかった。



あの指輪。何年前に買ったんだっけ?


新しい指輪を買わなくちゃ。

次は、なんの石にしよう。


でも、指輪より、次の男をさがしたほうがいい。
指輪も、自分で買わないで、買ってもらえばいい。


だけど。私が欲しいのは、指輪じゃない。

指輪を買ってくれる男じゃない。


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