この空き部屋は普段は客用の寝室として使われているが、今はロイの部屋として、セイルから使用を許可されていたのである。
「それにしても…こんな事をしたのは一体誰なんだろ？」
ロイはベッドに横になりながら、首を傾げた。
光が分裂して、次々と屋根に墜ちていった―＼r
その様子を想像しながら、ロイは思わず身を震わせた。
中の人たちに死者が出なくて良かった―＼r
そう思う一方、
じゃあ目的は何なんだろう？―＼r
という疑問も浮かんだ。
その疑問を解こうと思案していたが、睡魔には勝てず、ロイは無意識のうちにランプの灯りを消して、布団の中に潜り込んだ。
同じ頃、エミリアは自分の部屋で一つの写真を手に持っていた。
そこにはミリス、エミリア、ロザラムの幼い頃の姿が写し出されていた。
「ロザラム…」
エミリアはぽつりと呟いて、写真の上に一滴の涙を落とした。
許される事ではない―＼r
そう思いながら、エミリアはやるせない気持で一杯だった。
うつ向いたまま、エミリアはその写真を机の引き出しの中に大事そうにしまった。
窓の外では、きれいに半分になった月が、雲の間から明るい光を照らして、所々屋根の無い町を悠然と見下ろしていた。
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