サーカス
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> 二人は道の無き森の中をひたすら歩いていた。「あれ?」二人は驚いた。
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>森が開けた。
>この森を抜けるのには普通半日はかかる。
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>…はずなのに。
>二人は二時間しか歩いていない。二人が驚くにも無理はなかった。
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>「これ…どういう事?まだ歩いて二時間ちょいだよな?」ヒカルは言った。口が半開きのままだった。
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>「なんで?ワケわかんない…」リリが言った。口は半開きではなかった。
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>開けた景色は古いが活気がありそうな街と黄色の夕焼け空だった。黄色の空が何となく二人に不安感を与えた。
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>「ようこそ」いきなり小肥りしたおじさんが唐突に話かけてきた。おじさんは続けた。「遠くからの来訪者は久しぶりだよ 旅館に案内するから付いてきてよ」と言った。その目から生気は感じられなかった。
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>二人は不信に思ったがそのまま小肥りの男に付いて行った。
>「そうだ サーカスが始まるから観ていきなよ」男は透明な笑みを浮かべながら言った。