朝。
季節は春から夏にかけての移行時期であり、天気もあまりすっきりしておらず、朝日は雲に覆われ陽の光は射し込んで来なかった。
ロイは布団の中で薄目を開けて、窓の外の曇り空を見た。
今日は曇りか―\r
ぼんやりとそんな事を考えながら、まだ起きる時間には早いと思い、再び目を閉じようとした。
その瞬間、猛烈な爆風が家を襲い、ロイの部屋の窓ガラスが割れ、壁がみしみしと音を立てた。
「何だ!?」
ロイは布団から跳ね起きると、部屋を飛び出した。
隣のミリスの部屋やエミリアの部屋からも、それぞれ飛び出して来ていた。
「何があったの!?」
「分かんない!でも、これ地震じゃないよ!」
「確かにそうね!」
三人はそれぞれ一階に降りて、辺りを見回した。
先程の揺れにより、食器類やランプが落ちて、辺り一面に破片が飛び散っていた。
「怪我は無いか!?三人共!?」
セイルがサリアと共に部屋から慌てて飛び出して来て、心配そうに三人に尋ねた。
「大丈夫。私と姉さん、ロイは無事よ。それより…これは一体?」
「分からん。取り敢えず、外に出てみよう」
五人は揃って外に出て、町中を見渡した。
「酷い…」
エミリアは町の惨状に思わず息を飲んだ。