『ここに座って待ってろ。俺、髪染める道具揃えて来るからよ。
え〜‥っと‥確か、親父の“白髪染め”が有ったと思うし‥‥‥。』
し‥“白髪染め”‥ですか‥‥?!
ま‥いっか‥‥。
“白髪染め”や、その他諸々の道具を取りに行く為、
聖人は部屋を出て行った―\r
あたしは一人ポツンと部屋に取り残されたんだ―\r
あたしは聖人の部屋を見渡した―\r
本棚には、バイク雑誌や、車関係の本、BOOWYのCDやDVD、写真集等がびっしり並んでいて―\r
壁には、バイクや車のポスターがびっしり貼られていた―\r
あはは。聖人らしいや―\r
思わず頬の筋肉が緩んだ―\r
およそ六畳程のこの部屋は―\r
普段、聖人が生活している部屋―\r
ちょっぴり男臭さが残るこの部屋の匂いは、
聖人がいつも付けてる香水の匂いと優しく混じり合っていて、
決して嫌いな匂いではなかった―\r
こうして一人で部屋に取り残されたからか、
あたしの緊張も大分治まっていた―\r
あたしが座らされた一人掛けのソファーも、凄く座り心地が良かったから、
思わず眠気まで差して来た―\r
いけない‥いけない‥‥‥。
これから聖人に髪を染めてもらうんだから―\r
そう思って、あたしはなんとか眠気を覚まそうと、
床にも散乱していた聖人のバイク雑誌を適当に手に取ったら―\r
見てびっくり―\r
あたしの手に取ったのは、エッチな本だった―\r
いやぁ〜っっ!!
聖人もやっぱ‥男なんだね‥‥/////。
み、見なかったコトに‥‥見なかったコトに‥‥‥。
あたしは、そのままそのエッチな本を、バイク雑誌の下に隠した―\r
『おぅ。ごめんな。待たせてよ。』
セ、セ、セーフ!!
あ‥危ない危ない‥‥‥‥‥。
ドキドキドキドキ―‥‥‥‥‥。
う――。せっかく緊張が治まったと思ったのに、
なんだか、またドキドキしてきたよ‥‥‥‥‥。