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マダオ  2008-04-16投稿
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3月23日午後6時10分
柊宅


フズキは玄関にぽつんと立って涙を拭いている。





グゥゥゥ




(なんだ腹の音?)



「・・・ぉなか・・・・
すぃた。」



(・・・可愛いぃ)

不謹慎だけどそう思ってしまった。

フズキは台所に行き鍋を覗き込む。
そして何かつぶやいている。

「これ・・・れるかなぁ」

(何言ってるんだ?)

近くに行き鍋を覗く

(なんだ・・・これ)

鍋の中にはカレー・・・じゃないかと思う物が入っている。

(なんだこの白い塊
それになんだ?蜂蜜?
この赤いのはトマトか?
それに心無しかソースの匂いがする。)

回りには調味料や食器。
その他諸々が散乱している。

だが一際異彩を放つのは
鍋の脇に置いてある物。

(マヨネーズって、使うのか?隠し味か?
蜂蜜は聞いたことあるな
トマトも・・・まああるっちゃあ、ある。
でもソース?)

俺はフズキを見た。



「隠し味・・・入れすぎた・・・かな。」


(やっぱり隠し味か・・
隠し味なのに隠れてない)

(料理下手・・・みたいだな。)


「どうしよう・・・これ
多めに作っちゃった。」

傍らには皿が二枚。

(もしかして俺の・・・分か?)


(・・・だな)

フズキはカレー?を盛り付けて食べ始めた。







「色んな味がする」



俺は思わず吹き出してしまった。

こういう彼女も初めて見た。


彼女の作ったカレーの味は気になるが生憎食べられないし、食べる勇気も無い。



何度か挫折仕掛けたが、彼女は色々な味のカレーを食べ終えた。

「美味しくは、なかったかな」

彼女はそうつぶやくと浴室に向かった。




(お風呂・・・・・)


(おぃ・・俺は何考えてんだ?)

(彼女はお風呂=裸
俺死んでる=姿見えない
俺=男
フズキ=女)

(いやいや、まずいだろ
姿が見えないからってさ
でももうフズキには、会えないし、話せないし、
いやいやいやいや、だからって覗きはまずいだろ)




プツン



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