すんなりルームメイトも決まった事だし、もう少し眠ろう。そう思ったが明日には彼は引越してくる…掃除しとかなきゃ…
面倒に思いながらも水を張ったバケツとタオルを片手に、空部屋に向かった。
キレイに拭き上げた窓の外には僕の好きなニューヨークの街。
日曜日でも大勢の人が行き交っている。
そしてふと、彼女を思い出す。
黒のロングコートにジーンズ。少し太めのハイヒールを履いて、姿勢よく右手に持ったコートを飲みながらバスを待っていた彼女を…
僕が一目惚れなんて、人生初めてだ。
そんな事、映画の中だけだと思っていたのに…
部屋の掃除も一段落着いた頃、パソコンにメールが届いた。
今朝部屋を見に来たジェイからだ。
「ん〜…、“大きな荷物を先に引っ越し屋に頼んで送りたいみたいなんだけど、大丈夫?今日の夕方には着く様にしたいらしい“って変な文だな。“らしい“って…」
やたら他人事の様なメールだったが、僕は大して気にもとめず返事を返した。
「“OK。今日は出掛ける予定ないから大丈夫“…送信っと。」
さて、新しいルームメイトの荷物が来るまで僕は暇人だ。
こんな時は寝るに限る!
お気に入りのベットに倒れ込み、目を閉じた…
ピピッ ピピッ ピピッ
携帯電話だ…
今日はどうやら昼寝も二度寝も出来ない日の様だ…
携帯を取り、答えた
「ハイ、ブルース。珍しいな。休みに電話してくるなんて。」
「ハイ!お前のルームメイトが見つかったか心配でさ。」
「お蔭様で、無事に。」
「早いな!中々いいアパートだしな。一つ問題は解決したな!」
「は?他に何か問題あったっけが…?」
耳をかきながら聞いた。
「お前…!月曜日会議だろ!?新しい企画出来たのか?」
…ヤバイ!
どうやら今日、明日は徹夜になりそうだ…