「君ここらへんの子?」とめっちゃ笑顔で聞いてくんだよね。「そう、おねーさんは東京の人っしょ?」「なんでわかんのー!えー都会オーラ出てる?あは」なんて一々テンション高くてさ、「でも上京組ー」と俺が言ったら俺の鼻つまんで「ナマイキ!」と顔をクシャっとさせて笑った。それからたくさん他愛もないことをしゃべった。とは言っても、彼女の笑顔はもちろんだけど声が聞きたかったから適度に話題をだしながら聞き手に撤してた。意外?実は俺、いい聞き役よ?まじまじ! でさ、彼女の顔がたまに寝そべってる俺の顔のぞくの、うえから。もう太陽が眩しいんだか、彼女が眩しいんだか俺わかんなくなっちゃったね! けっこう時間を忘れてしゃべってたら彼女の携帯がなってさ、「ごめ電話!はい、えっ嘘!」とか腕時計を見ながら立ち上がって「今すぐ行く!」といって電話を切って俺に「やばい、行かなきゃ!」って走りだしてた。俺はあっけにとられてた。半身起こしたら、彼女がいきなり立ち止まってこっちに「少年またねー!」ぶんぶん手をふってんだよね。少女みたいに無邪気に。季節の変わり目、嵐のような彼女は俺に訪れた春一番だった。どっ?ドラマチックだろ?