「痛っ！」
ミリスが尻餅をついて悲鳴を上げるのと同時に、セイルの剣と男の剣がぶつかり合う音が響いた。
「そらそらそら！」
男は素早い動きで剣を薙ぎ払いながら、セイルに肉薄していった。
「ちっ！」
それらを何とかかわしながら、セイルは反撃の機会を窺った。
しかし、先程のダメージによって動きが鈍り、次第にかわすのが精一杯になっていった。
「甘いわ！」
その隙を逃さず、男は自らの足でセイルの脚を払うと、セイルは下半身に力が思うように入らず、後ろへよろめいた。
「しまった！」
「終わりだぁ！」
その瞬間、男の剣が猛然とセイルの胸を襲った。
「いやぁぁぁ！」
ミリス、エミリア、サリアの三人はそれを見て、悲鳴を上げた。
しかし、剣はセイルの胸を突かず、逆に鈍い音と共に弾き飛ばされていた。
「何っ！？」
男は痺れた手を押さえながら、驚いた表情を浮かべた。
「ロイ！」
「ロイ君！？」
そこには間一髪でセイルを助けるのに間に合ったロイが、剣を構えて立っていた。
「ま、間に合ったぁぁ…」ロイは一つ大きくため息をついて、安堵の表情を浮かべた。
「小僧、貴様からまず死にたいらしいな…」
男は歯ぎしりしながら、怒りの表情でロイを見た。
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